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ゲート回路

1.ゲート回路(MIL記号)

MIL: Military Specifications and Standards ==> 米国軍用規格

1.1 基本要素

名称ANDゲートORゲートインバータ
MIL記号 ANDゲート ORゲート インバータ
論理式
ABA AND BA OR BNOT A
LLLLH
LHLHH
HLLHL
HHHHL

1.2 準基本要素

名称 NANDゲート NORゲート バッファ XORゲート
MIL記号 NANDゲート NORゲート バッファ XORゲート
論理式
A B A NAND B A NOR B A A XOR B
L L H H L L
L H H L L H
HLHLHH
HHLLHL

1.3 多入力ゲート




2.回路図の書き方

 論理式から回路図を作るには、演算の優先順位を考えながら、各項をゲートに置き換えればよい。
 例えば、次の論理式
           Q = A + B・C
を回路にすると、下図のようになる。


【例題】
次の論理式
           Q = A・B + B・C
を回路にせよ。




3.EXOR等価回路


EXOR(またはXOR)ゲートの論理式は次のようになる。

OUT = (A・B) + (A・B)


[出典: http://www.wdic.org/p/SCI/cc_xor.png]

少し工夫し、先にORをしてしまうと、回路が少し簡単になる。

OUT = (A+B) ・ (A・B)


[出典: http://www.wdic.org/p/SCI/cc_xor2.png]

OUT = (A+B) ・ (AB)



4.デジタルICの特殊な入出力 

特殊な入出力として、次の3つを説明します。

    シュミット・トリガー入力

    オープン・コレクタ出力

    スリー・ステート出力


シュミット・トリガー入力

 普通、入力がLからHへ素早く立ち上がったり、HからLへ素早く下がれば、なんの問題もないのですが、ゆっくり変化した場合、およそ、入力が1V強のところで出力が変化します(74LSの場合)。この変化の境目のことをスレッショルド・レベルといいます。このとき、ゆっくりだけでなく、ノイズなどの影響で、ふらつきながら変化すれば出力はどうなるでしょうか。

上段入力、下段出力

 このように、立ち上がりと下がりのスレッショルド・レベルが同じ場合、1つのパルスにならず、前後に余計なパルスができてしまいます。
 シュミット・トリガー入力は、立ち上がりのスレッショルド・レベルは高い目、下がりは低い目に設定されています。

上段入力、下段出力

 このようにパルスはきれいに整形されます。これがシュミット・トリガー入力の特徴です。

 シュミット・トリガー入力記号は、上の図のように、中にマークを入れます。

オープン・コレクタ出力

 オープン・コレクタ出力には2つの使い方があります。 1つは、ワイヤード・OR、もう1つは、レベル変換です。

 上の左が通常の出力、右がオープン・コレクタ出力です。

ワイヤード・OR


 上の図の左が通常出力の4入力ORです。右が、オープン・コレクタ出力によるワイヤード・ORです。普通、回路の目的が決まっており、変更することがない場合は、左の回路でいくべきですが、システムが、その時々に応じて、ORの入力個数が変化するときは、右のワイヤード・ORとなります。ただし、ワイヤード・ORは、遅延時間が長くなります。

レベル変換

 これは、電源の電圧より高い出力が必要なとき、コレクタにつながっている抵抗のVCCを高くしてやることで実現できます。
  ただし、オープン・コレクタと似たような、C-MOS回路のオープン・ドレインは、レベル変換には使えません。これは、ICの電源電圧より高い電圧を出力端子にかけられないというC-MOS特有の特性のためです。間違ってかけてしまうと、ラッチアップという現象により、高電流が流れ、壊れます。

スリー・ステート出力トライ・ステート出力

通常、ロジックICの出力は、入力と1対1で接続され、出力端子同士がつながることはありません。つなげは、大電流が流れ、時として、壊れます。例外が、オープン・コレクタ出力による、ワイヤード・ORです。
 さて、2つ手前の図、左側の通常出力の場合、上と下とにあるトランジスタのどちらかが、ON、残りがOFFになっています。トランジスタ2つともOFFになるのが、スリー・ステート出力です。この状態では、つながってないのと同じことになります。

このような回路の場合、下向きに出ている線がスリーステートの制御線で、どれか1つをLにすると、スリーステート状態が解除され、そこだけ信号が流れます。ただし、1つ以上Lにすることはできません。理由は、先程述べたとおりです。

[出典: http://www.page.sannet.ne.jp/je3nqy/degital/losic7.htm]

5.オープンコレクタ

トランジスタは回路内でスイッチの働きをする。 これは、ベースの電源をON‐OFFさせると、コレクタ‐エミッタ間の電流もON‐OFFされる働きである。

左と右は等価
左と右は等価

OFF

トランジスタが、スイッチとしてOFFの状態の場合、回路はオープン(切断状態)となっている。 つまり、出力はハイインピーダンスである。
このためオープンコレクタ出力は何にも繋げていないのと同じ状態となるため、その内容は不定である。 信号のレベルは、これと繋げる側で設定せねばならない。

ON

トランジスタが、スイッチとしてONの状態になると、オープンコレクタ出力はGNDとショートしようとする。 つまり、出力は0Vである。
しかし、このままでは電源の供給がないためトランジスタは動かない。 よって、これと繋げる側は電流を供給する必要がある。

プルアップ

オープンコレクタの出力を用いるには、一般に後段側でプルアップすることで行なう。

スイッチがOFFの場合、トランジスタ側は断線しているのと同じなので、回路は抵抗を経てVCCと繋がる。 従って、電源電圧とほぼ同電位となる。
一方スイッチがONだと、トランジスタを通じてGNDに繋がるので、電位はGND電位近くまで下がることになる。
このようにして、ON‐OFFの伝達ができる。
【出典:通信用語の基礎知識】 http://www.page.sannet.ne.jp/je3nqy/degital/losic7.htm