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地デジアンテナ

はじめに

永らく使ってきた同軸ケーブルテレビのサービスが終了する。 光ケーブルテレビに切り替えることもできるが、この際、地デジアンテナが有力な選択肢である。

2年近く前にも少し調べたが、今回、詳しく調査したい。映る、映らないではなく、信号レベルを数値で掴みたい。

ミニ室内アンテナによる受信結果

スカイツリーまで直線距離で33Km、我が家はやや高台にあり、区内に高層建築物はない。 多分、中電界としては受信状況はいいものと思われる。2Fでは高電界に近いと言えるであろう。

2F

2階の部屋(南向き、西に市内幹線道路)では、以前購入した小さな棒状の室内アンテナ(以下ミニ室内アンテナと呼ぶ)で 東京MXTV以外は全局映る。 このミニ室内アンテナはカタログ上は 25dB となっている。当然、ブースター込みの値である。

以前の簡単なテストでは、スカイツリーの主要局より、TVKの方が安定していたように記憶する。 今回はその逆で、スカイツリー局が安定し、TVKがごくまれに画面が乱れることがある。

テレビで確認すると、NHK 1は信号強度34(推奨30~65)、信号品質54(推奨43以上)であった。

数日間使ってみているが、所要局では映像の乱れは一切ない。

主要局(出力10KW)は問題ないが、東京MXTV(出力3KW)は信号が弱すぎて映らない(強度21、品質30)。

この位置では TVKの画面が時折乱れる(強度 29、品質42~43)。アンテナを少し移動すると、信号強度28~30、信号品質44~46となった。 信号強度が少し不足している。このため、時に画面が乱れるのであろう。

スカイツリーとTVKではアンテナのベスト位置が異なる。当面、スカイツリーのベスト位置に置いておく。

もう少し性能のいい室内アンテナであれば、TVKも安定するであろう。

1F

1階のリビングのテレビでは室内アンテナの位置によって、映ることもあるが、 とても使い物にならない。

NHK 1では強度27~29、品質36、TVKでは強度23~26、品質26~33 であった。

ロフトの床に室内アンテナを置いた場合、NHK 1は信号強度34(推奨30~65)、信号品質54(推奨43以上)であった。 NHK2は信号強度34(推奨30~65)、信号品質55(推奨43以上)であった。 TVKは信号強度34(推奨30~65)、信号品質48(推奨43以上)であった。

スカイツリーはどの局も同じと思っていたが、数値にはかなりの差があることが分かった。2Fの現位置で テレビ東京は信号強度36~37、信号品質は 55~57である。

我が家はロフトの壁の奥に分配器があるので、ロフトに、屋外/屋内兼用の高性能アンテナで十分な信号レベルが得られればベストである。

ロフトは北斜面の屋根に明かり窓があるので、ここから電波が入ってくるのであろう。2階の南側の窓際よりは信号レベル が少し上がりそうである。TVKの電波も安定的にキャッチするであろう。

室内/屋内アンテナ

2年前に購入したミニ室内アンテナのゲインはカタログでは 25dB となっている。

ベストセラーミニ室内アンテナ sattie は 受信感度 30dB となっているので、手持ちのミニ室内アンテナより いい結果が得られる可能性が高い。ただし、Amazon で売り出したばかりのため、カスタムレビューはまだない。

しかし、おそらく、1Fでは使えないであろう。屋内で使えるもっとパワフルなものを試したい。

日本アンテナ屋外/屋内 UDF85Bが最強と思われる。これは、アンテナゲイン 6.5~8.5dB、総合で 23~28dBである。 しかし、ブースター電源 DC15Vなので、USBでは賄えない。サイズは 435×265×67 と大きい。 1Fで電波を拾うには大きなアンテナでないと難しいであろう。

総合ゲインはブースタで上げられる。しかし、ブースターはノイズも増幅する。 おそらく、アンテナ自体のゲインが重要であろう。


色々調べた結果、室内用としては UDF85B が最も高性能なものと思われたので、これを購入した。

1Fでは東向き窓際に置くと、ミニ室内アンテナを2Fに置いた時よりも受信状態はよくなった。 UDF85Bの正面を部屋の内側にするより、外側に向ける方がよい。TVKも東京MXTVも映った。 2Fに比べると信号強度、信号品質はかなり低い。しかし、テレビが異なるので、数値だけでは判断できない。 信号が乱れる時があるかどうかしばらく使ってみる。 1週間ほどでは、どの局にも映像の乱れはない。

ロフトに置いて、1Fと2Fに分配するのがいいかもしれないが、これが既設配線で簡単に実現できるかどうかは 未確認である。

分配すれば信号強度は下がる。テレビは2部屋にあるだけなので、2Fは UDF85Bクラスのアンテナをテレビのそばに 置き、1Fはアンテナをロフトに置いて、既設配線で1Fまで下すか、東向きの窓際に UDF85B を置く。

何れにせよ、工事なしで済ませたい。

UDF85Fの受信状況

窓際にUDF85Bを置いた。MXTVは推奨値下限であるが、映像に乱れはない。

 局 NHK総合1 NHK教育2 日本テレビ4 テレビ朝日5 TBSテレビ6 テレビ東京7 フジテレビ8 東京MXTV9 TVK3 全局平均  推奨 
channel 27      26         25         24         22         23         21          16      18
強度    35      33         33         32         30         35         30          30      35     32.6   30~65
品質    54      55         53         54         55         57         50          43      60     53.4   43以上

信号の分配

手元に分岐器(9:1)があったので、これで分配を推測する。IN にアンテナ、BR にテレビをつないだ。 10分配に相当する。

分配しても信号品質はほぼ変わらず、信号強度が下がるはずである。

信号強度は10前後下がり、全局が推奨値未満となった。しかし、信号品質はほとんど変わらなかった。 信号強度、品質は絶えず細かく変動しているため、信号品質が上がったケースもあるが、平均的には少し下がっている。

しかし、映像は全局とも安定している。要するに、重要なのは信号品質(SN比)であろう。

 局 NHK総合1 NHK教育2 日本テレビ4 テレビ朝日5 TBSテレビ6 テレビ東京7 フジテレビ8 東京MXTV9 TVK3   推奨 
channel 27      26         25         24         22         23         21          16      18
強度    22      23         21         18         19         22         16          17      21    30~65
品質    56      57         52         52         51         53         44          41      50    43以上

多分、我が家の既設の分配器は8分配器であるから、これを流用した場合、信号強度の低下はこれより少ないであろう。

UDF85

長期使用を考えると、ブースター内蔵よりもアンテナとブースターが分離している方がよいと思われる。 特に屋内設置では、アンテナより、ブースターの方が故障しやすいと考えられる。

アンテナはロフトあるいは屋根裏設置とした場合、ブースターは取り替えやすい場所に置くのがよい。

UDF85を購入した。2Fでの測定結果を下に示す。 信号強度は全9局とも、推奨値以下である。信号品質は MXTV だけが推奨値以下である。

MXTVは、時折、映像が乱れる。他の8局は問題ない。

全局平均を UDF85B と比較すると、内蔵ブースタで信号強度は 13.7 上がっている。信号品質は 4.5 上がっている。 したがって、いいブースタであれば、信号品質も多少は改善すると言える。

 局 NHK総合1 NHK教育2 日本テレビ4 テレビ朝日5 TBSテレビ6 テレビ東京7 フジテレビ8 東京MXTV9 TVK3 全局平均  推奨 
channel 27      26         25         24         22         23         21          16      18
強度    22      23         21         18         19         22         16           8      21    18.9     30~65
品質    52      50         53         46         49         49         48          41      50    48.9     43以上

やはり、重要なのは信号品質(S/N比)であり、信号強度が不足しても問題ないようだ。しかし、テレビにも依存するであろうから、 信号強度も推奨範囲に収まる方が望ましいであろう。ブースタは安価なものでも十分かもしれない。

ASHATAアンテナブースター(USB電源) 25dBゲインを買ってみた。口コミ評価は大雑把には最高(5)と最低(1)に二分している。

他のブースタも評価は割れている。ブースタは主に信号強度を上げるものであり、 信号品質が悪い(信号が雑音に埋もれている)場合、アンテナを良くするしか手はないことを知らずにブースタに期待しすぎた ためであろう。

ASHATAアンテナブースターの結果を下に示す。全局とも信号強度は推奨範囲に入った。信号品質は殆ど変わらない(平均値は+1.2)。

信号強度が上がったため、MXTVの映像も概ね安定した。しかし、信号品質は推奨値よりやや低いため、画面が時々乱れる。 MXTV以外はブースターなしでも映像は安定しているため、ブースター導入効果は小さい。

UDF85Bでも MXTV は推奨値ぎりぎりのため、ブースタを日本アンテナ NAVBC22UE-BPに変えても信号品質がごく僅か向上するのみ であろう。もともと MXTV は東京都向けの地方局であるから、時に映像が乱れてもやむを得ないであろう。

 局 NHK総合1 NHK教育2 日本テレビ4 テレビ朝日5 TBSテレビ6 テレビ東京7 フジテレビ8 東京MXTV9 TVK3 全局平均   推奨 
channel 27      26         25         24         22          23          21         16      18
強度    37      41         37         36         35          39          35         30      38    36.4    30~65
品質    51      55         51         53         51          51          45         42      52    50.1    43以上

屋外用の場合、電源部(屋内)とブースター本体(アンテナの下)が分かれている。アンテナを1台のテレビ専用とする場合、 いささか大がかりすぎる。ベストは日本アンテナ NAVBC22UE-BPであろう。 口コミ評価が低いのは、価格から期待が大きく、信号品質の低い場合、効果がないことを知らずに買ったためであろう。 室内での信号品質が低い場合には、アンテナは屋外に設置し、ブースタもアンテナ直下に置くべきであり、屋内設置は無理である。

安いブースターは電波を単純に増幅するだけのため、信号品質は殆ど変わらない。 高価なものは、雑音と信号を切り分けて、極力、信号だけを増幅しようとするものであろう。そのため、信号品質も多少改善する。

もし、ASHATAが早期に壊れた場合、買い替えの候補は 日本アンテナ NAVBC22UE-BP である。 おそらく、UDF85B内蔵のブースターと同等のものと推測される。

マスプロ電工 UHFブースター EP3UB 41dB (屋外用)                       アマゾン  5,899円 評価4.2
日本アンテナ NAVBC22UE-BP(付属品 ACアダプター)22dB型(卓上型)             アマゾン  6,400円 評価3.6
日本アンテナ NAVBC33UE-BP(付属品 ACアダプター)33dB型(卓上型2出力)       アマゾン 11,255円 評価3.6
二幸電気工業 UHF 33dB形 家庭用ブースターNOB-U33NF(屋外用)              アマゾン  5,200円  評価3.9
ASHATA アンテナブースター(USB電源) 25dBゲイン                           アマゾン    969円
ホーリック アンテナブースター 室内・地デジ用 HAT-ABS024 15~19dB      アマゾン  3,155円
ホーリック アンテナブースター 室内・地デジ用 ABT-023W 10~35dB(3段切替) アマゾン  5,280円  評価3.6

おわりに

試行錯誤のために、アンテナはブースタ付き(UDF85B)とブースタなし(UDF85)を買った。さらに2年前に買ったミニ室内アンテナもある。

屋根裏に、ケーブルテレビ用のブースタがある。UDF85をロフトに置いて、ブースタはこれを使うこともできる。 しかし、ブースタにも寿命があるので、この際、お役御免にした方が無難であろう。 8分配器をそのまま使う場合、しっかりしたブースタが必要になるであろう。アンテナの共用をやめて、購入した二つのアンテナを 2台のテレビに分けて使うことにする。

1Fではアンテナは出窓に置いたので、カーテンに隠れたが、アンテナからテレビへのアンテナ線は見える。 道路からは離れているため、映像が乱れることは少ないと思われる。

2Fではアンテナはカーテンに隠れて見えない。南向きの窓際からテレビが離れているが、アンテナ線はさほど目立たないように配線できる。 しかし、東側が道路である。このためか、MXTV以外でも、たまに画像が乱れることがある。

ここ数日なにも問題はなかったが、今日は、テレ朝、TVKでもちょっと画面が乱れた。多分、車の影響であろう。

ロフトの明かり窓は北斜面にある。このため、受信品質はそれほど向上しないかもしれない。 しかし、道路の影響は受けず、電波が安定している可能性が高い。

要するに、ブースターによる改善は殆ど望めない。より受信品質の上がる場所を探したい。

小型室内アンテナでは1Fではほとんど受信できなかった。しかし、UDF85B では全局安定して受信できる。 平均的には2Fの方が受信品質は高い。しかし、2Fの方が道路の影響を強く受ける。 このため、2F用のアンテナをロフトに置いた方がよいかもしれない。アンテナ線は壁に沿って床を這わせればさほど気にならないだろう。

既設アンテナ線が使えればその方がベストである。その場合、2つのアンテナをロフトに置く案もある。 既設アンテナ線の伝送ロスが大きい場合、UDF85だけを使い、NAVBC33UE-BPを追加購入する案もある。

チャネル一覧表

送信所  NHK総合1 NHK教育2 日本テレビ4 テレビ朝日5 TBSテレビ6 テレビ東京7 フジテレビ8 東京MXTV9 TVK 送信局の出力
東京スカイツリー
     27 26  25  24  22  23  21  16  -   10KW/3KW   MXTVのみ3KW
鶴川 
     13 15  36  43  39  44  41  34  -    3W/2W     MXTVのみ2W
TVK鶴見                             18    1KW

出典

[1] 室内アンテナでテレビを見るには
[2]