カルノー図法は、表を使って、論理式を簡単化する。
例として論理式
カルノー図のための表をまず作成する。
論理変数が4個なので、図1の表を作成する。
この表の縦および横は、それぞれの論理変数の値を示す。 ただし、真理値表と論理変数の並びが異なる。 真理値表は、2進数で値の小さい順に並んでいた。 しかし、カルノー図は、グレイコードで並んでいる。 上下の行(および左右の列)を比較すると、常に1ビットしか異なっていない。 上の端のセルと下の端のセル、右端のセルと左端のセルは連続していると考える。
表の枠が出来たならば、その中に論理変数に応じた論理式の値を入れていく。 今回の式の右辺は、5個の項から出来ている。 その5個の項のうち、どれかが1になった場合、論理式の値が1になる。
論理式が1になる論理変数(A, B, C, D)の値を探す。今後、論理変数の値はこの並びとする。
右辺第1項の値が1になるのは、(0, 1, 0, 0)の場合のみである。 そこで、それに対応するセル2行1列に1を書き込む。
右辺第2項の場合、A の項が無いのでそれは0でも1でも良く、(0, 1, 0, 1) と(1, 1, 0, 1)のとき 論理式の値が1になる。これも、表に1を書き込む。
同様に右辺第3項は、(1,0,1,1)第4項は(1,0,1,1)と(1,1,1,1) 、 第5項は(0,1,1,1)と(1,1,1,1)のとき論理式の値が1となる。 それぞれ1を書き込む。
次に、この表の中の全ての1を出来るだけ数の少ない正方形を含む長方形(ループ)で囲みます。 ただし、囲む場合、次の条件に従う。
最後に、この3個のループから共通変数を取り出しその論理積を作る。 それぞれの論理積の論理和をとり、論理式を作る。 これが簡略化された論理式となる。 図2のループ1の共通変数の論理積はである。 ループ2の場合は 、 ループ3の場合はとなる。 これらの論理和は、
となる。これが、元の論理式を簡略化した結果である。
図3. カルノー図の枠の取り方
例1.下の左に示す真理値表をカルノー図にした結果をその右に示す。
右端のボタンを "ラベル", "数値", "サークル", "結果"の順にクリックしてください。
真理値表の行をクリックすると、 その行およびカルノー図の対応したセルの背景色が黄色に変わり、 真理値表の行とカルノー図の対応が分かります。
上とは逆にカルノー図のセルをクリックすると、真理値表のどの行に対応するかが分かります。
この例では4隅が一つのグループとなります。
例2.下の左に示す真理値表をカルノー図にした結果をその右に示す。
サークル@は次のように考えます。
@ A・B・C+A・B・C慣れれば、この計算が暗算で行えます。Aは0、Bは0と1、Cは1のセルに1があります。
Bは0と1があることから消します。残りはAが0、Cが1であることからA・Cとなります。
このように、目で追ってループの表す論理式を求めます。
【論理式を簡単化する場合】
次にあるような論理式を簡単化する場合、それぞれの項に対応したセルに1を書きます。 後は真理値表の場合と同じです。この例では出てきませんが、A、B、Cの3入力に対して たとえば A・Cのような項があれば、先ほどの式の変形とは逆に
A・C = A・C (B+B)
= A・B・C+A・B・C
と考えて、該当する二つのセルに1を書きこみます。
下に例を示しています。操作方法は真理値表の場合とほぼ同じです。
元の論理式の項をクリックすると、文字の色が赤に変わり、カルノー図の対応したセルの背景色が黄色に変わります。 (カルノー図のセルをクリックしても、この逆のことは起きません。)
1.次の論理式をカルノー図法により簡単化しなさい。
2.次の論理式をカルノー図法により簡単化しなさい。
3.次の論理式をカルノー図法により簡単化しなさい。
4.次の論理式をカルノー図法により簡単化しなさい。
5.次の論理式をカルノー図法により簡単化しなさい。
6.次の論理式をカルノー図法により簡単化しなさい。
7.次の論理式をカルノー図法により簡単化しなさい。
実用上は加法標準形をマスターすれば、乗法標準形は使う必要がない。 双対関係にあることから、混乱する恐れもあるのでお勧めしない。 しかし、技法としては乗法標準形に対して直接、カルノー図を使うこともできる。 そのため、参考までに、その方法も載せる。
8.次の論理式をカルノー図法により簡単化しなさい。